ペットさんの肖像画

私には、幼いころからいつも犬が一緒でした。
「私の人生」というバイクを走らせはじめて、そのサイドカーに最初に乗ったのはウェルシュコーギーペンブローグ。名前は、ぱぴ。私の心の支えで相棒でした。

ジェットコースターのような私の人生に付き合って13年経った頃、持病と戦いながら年老いてきた彼女を見ていてふと、「いなくなったら悲しすぎて描けない。今描いておこう」と思いました。
それが色鉛筆での動物肖像、第1作目です。
その1年半後に昇天したぱぴ。絵と目が合うたびに、嗚咽が出そうになるほど悲しくて辛くて泣けましたが「行ってきます」「ただいま」と絵に声をかけるたびに励まされ、慰められてきました。

今までに描かせていただいたペットさんの中には、すでに昇天した子もいます。
描いてから何年も経っていても「絵があって良かった。ありがとう」というメールをくださる方もいらっしゃいます。
寂しさがわかる私も悲しくて言葉もありませんが、描いてよかったと慰められもします。

作品制作や講座の合間に描くので、ご注文からお届けまで3ヶ月ほど掛かることもありますが、
他のペットさんと同時制作という流れ作業はしません。
お預かりするお写真と向き合って、ペットさんとオーナーさんの気持ちを想像しながら
​いつも1対1で描き上げています。