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絵画(作画)の練習とは
スポーツや習い事でよく耳にする練習。
より上手くなるため・大会のためなど、毎日頑張っている方がたくさんいます。
スポーツはタイム・スピード・距離などの目標のため、習い事には基準(級や段、レベルを表す資格)が設定されていることが多く、それをクリアするために練習を欠かしません。
絵画(作画)はどうでしょう。
絵を習っている方、レッスンは週1回のペースかと思いますが、
次のレッスンまでに何かの練習をしていますか?
そもそそ作画のための練習って、なんでしょうか。
実は、絵画には明確な基準(級・段など)は設定されていません。
作歴(年数や個展回数)、入賞歴などで推し量ることはできても
私のレベルは○○ですという表現が無い世界です。
ですから、言葉は悪いですが
「だらだらと」練習?のような絵が
描きたまっている方も多いのではないでしょうか。
もしもあなたが
「もう何年もレッスンに通っているけど、ちっとも変化がない」
と悩んでいるのなら・・・。
ある、大切な自己練習が足らないかもしれません。
デッサン?
スケッチ?
クロッキー?
毎日描くこと?
残念ながら、ただ毎日描くだけでは今を繰り返しているだけ。
最も大切なことは「表現力をどう養うか」です。
次のレッスンまでに1時間。
少しのエッセンスを加えて描くと、
作画はぐっと上達します。
一昨日30分+今日20分で1つ描けた。
その繰り返しだけで上達できるエッセンスとは!
・対象物(モチーフ)の、それは何かを考えて描く。
・上手に描こうとしない。
です。
考えて描く?
例えば、リンゴを1個描きます。
まず手に取って、
大きさ、重さ、手触り、いびつさ、香り、ヘタの付き方、
下から見ると?上から見ると?など、
リンゴをよくよく観察して、いろいろ感じてみる。
↓
どの向きを描くか決めて、テーブルに置く。
↓
さあ、描こう!
(よし、明日描こう!(笑))
ということです。
描こうとするものが何であるかを、
自分なりに捉えようとすることが「考えて描く」です。
知った・感じたことの一つを、
リンゴの形の中に描こうとしてみてください。
思ったより重かったなら「重い、重い・・・」と
念じながら描く。(独り言でぶつぶつもOK!)
すると、それなりにそう描けているものです。
上手に描こうとしない?
正しく描く と 上手に描く は別物で、
正しい絵=上手な絵ではありません。
絵は上手に描こうとするほど上達しません。
なぜなら上手を想像すると、
必ずと言っていいほど、記憶にある誰かの
上手な絵と無意識に比べています。
それは、真似しようとしていること。
真似るなら、模写をした方がずっとずっと
理解が深まって良い練習になります。
ちょっと脱線しますが、
誰かの作品を写真や印刷物で模写をするなら
模写物は極力原寸大でないと、あまり意味がありません。
(作画は模写物より小さくてもOK)
なぜなら、模写は同じ絵をそっくりに描くだけでなく、
筆圧やタッチ、混色の具合まで読み取って
同じように描こうとすること。
さながら、贋作を描こうとするところに
大きな学びがあるからです。
残念ながら、日本で現物を前に模写ができる美術館や博物館は、
無いといっていいほど少ないです。
参考までにこちらをどうぞ。
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/24993
さて本題。
最後にもう一つ簡単な方法。
それは
観察の目で日常を眺める習慣
です。
私は誰かと話しているとき、ふと相手の眉毛を見て
「こう生えるのか」とか、ほくろを見て「○○色だな」
服のシワを見て「こういう姿勢のときのシワはこうか」
など、
無意識に観察して淡々と感じたりしています。
たまに、しげしげと見つめてしまう失敗もします(笑)
相棒のコーギーを撫でながら
「夏毛はこういう硬さか~」
「鼻ってエナメル靴の先みたいや」など。
描くために観察しているのではなく
観察が日常で、すでに癖です。
楽しいと思いませんか?
私たちは、見ているようで・知っているようで
なにも分かっていないことが多いです。
日常生活は、既成概念を知っていれば過ごして行けます。
だから、わざわざ観察しようと思っていません。
ほくろは黒い → 黒で描く
暗い=黒 → 影や夜を黒で描く
葉は緑 → ビリジアンで色を作る
灰色の空 → 曇り空をグレーで描く
最近は少なくなりましたが、
子供が描く太陽は、いつも赤。
などなど、挙げたらきりがありません。
既成概念の知識が無意識に絵に出るように
自分で感じた蓄積(インプット)も、
自然と作画に現れるものです。
自分のインプットが多い人の絵は、
そうでない人より豊かで説得力があり
それを総じて「表現力がある」と言います。
不自然そうな表現も、
なぜそう描いたかを理解している人の絵は
訴求力があります。
作画に一番大切なものは表現力です。
あなたの表現力を高めるために
ぜひ、参考にしてみてください。
あるとき、すっとあなたの絵が変わるはずです。
ー追伸ー
練習で描いたものは、
レッスンのどこかで必ず先生の教示を仰ぎましょう。
返ってきた言葉があなたの気づきになり、画力になります。